ミニ屋形舟「舟遊びみづは」[クルーズ業界のコネも経験もゼロだった佐藤美穂さんは、2000万円をかけて屋形船「みづは」を造船。初秋の開業を目指している。

 

■新規の船は川に係留する許可が出ないなど問題は多々あるが・・・・
河川の占用は、公共の用途や工事等やむを得ない場合に許可されるが、法律や準則が出来る前から営業している民間事業者が係留しており、水面権を得ている屋形船屋が多くある。民間使用も現実には許可されている人がいるけれど、新規の許可は出ないのが今の東京の状況だ。そんな厳しい規則と闘いながら、果たしてどこまで佐藤さんの船会社が創業できるのか?どうしたら係留ができて無事運行ができるのか?佐藤さんの奮闘の日々は続いている。

■船の仕事を覚えたい・・・・2年間の修業を経験した美穂さん!!
門戸をたたいたのは中堅クルージング会社。
堅実な経営で、人気船会社で知られている。
船に関わる経営~船のすべての実地体験をしたいと
佐藤さんは「無料で働かせてほしい!」と
社長に押し掛けで頼み込む。2年間の修業を積む。
(修業を終えても親方は小舟での新規開業は無理と思って
いた模様)

■どんな舟にしたいか?
「私、時代劇が大好きでよく見るんですが・・・その中に出てくるシーンで、川面に浮かんでいる舟。障子の中では密談が聞こえて『旦那様にとってもよいお話かと。』『ふっふっふ。越後屋、おぬしもワルよのう~。』あの密談の場を提供したいわけではないけれど、イメージはそれなんです・・・・数名で貸し切れて、ゆったりと江戸の粋や情緒を満喫できる、屋根舟での舟遊び。もちろんお酒もお供します。そんな遊びをしたいなぁ、それが江戸の工芸品に囲まれていたら素敵だなぁ、と思って。
江戸時代の人が遺してくれた水辺の良さや歴史が知られてないのはもったいないなぁ、という思いが昂じて、自分でやることを決めたんです!」と佐藤さんは目を輝かせて話す。
一般に「屋形船」という呼称が定着しているが、これは大きな船のこと。時代劇の密談に出てくるような舟は、「屋根舟」で昔は船頭さんが手漕ぎをして走行させていた。さすがに手漕ぎは、なり手がいないし、危ない。でも川はなるべく汚したくない。そこで佐藤さんが強くこだわっているは【静かな船】「エンジンがなかった江戸時代の舟の静けさを甦らせる・・だから動力のメインは電気にしたいと思いました。既にソーラー船の運航・、実験している大学や研究機関に相談し、アドバイスをしてもらいました。まず自分の船で開業して、船の癖とか、水に対する抵抗の度合い、河川での走行状況をしばらく確認して、次のステップで電気推進の仕組みを取り入れたいと思います。開業後は、プライベートチャーター主体で、飲料や料理の持込も自由にできる。もちろんお弁当取り寄せもOK。甘味の重箱アフタヌーンティーやシャンパンブランチも用意する予定。イベントは、婚活舟、浮世絵今昔舟、和装コスプレ舟、船上ライブなどをやってみたいんです。岸からちょっと離れただけで、別世界になる水の上。自分が舟の上で経験したい、と思ったことを形にしたい」と佐藤さんは話す。

まもなく完成予定の舟「みづは」は“舟桟敷”という前部デッキで開けた視界を楽しめる。船室内は、数寄屋の雰囲気を取り入れた渋味のある内装、江戸から続く工芸の職人技に触れられる。小舟であっても、きちんとしたトイレ付。正座がしにくいシニアの方や外国人の方が楽なように、船室は靴で入れるテーブルと椅子の形式。お茶会の時などは、畳を敷いて使用することもできる。米国に4年半居住した経験から、佐藤さんはTOEIC950点を取ったこともあり、外国人とのビジネス経験もあるため、異文化への理解も深く、英語でのガイドも全く問題ない。

今後ソーラーパネルや充電システムを取り入れる予定。システムの設計には、ソーラー船の研究・実装に携わったボートデザイナーの協力を得ている。化石燃料を使わない電気で動く【電気船】は既に東京で走っているが、アメリカ製の船。日本製のオーダーメード船では東京初の船となる。

 

 

 

 

佐藤美穂さん
プロフィール
1963年生まれ 東京女子短大英語学科卒業 三井物産入社 24歳結婚
夫の勤務でアメリカに4年居住し、帰国後IT企業に再就職し、その後投信会社に
転職。江戸文化が好きで、英語が得意、且つ船に乗るのが好きだった事から舟
遊びを通じて江戸の文化やクールな東京の水辺の良さを国内外の人に広め
たい!江戸の都市計画によって成り立っている今の東京を感じながら先人
が遺した財産への感謝の気持ちを持ちたい!と起業を考え、会社員を辞める。2010年9月より準備を開始、その後クルージング会社で修業を開始。

●江戸の暮らしや文化、時代小説好きが高じて、悪代官と悪徳商人が密談をしたり、人目を忍ぶ恋人が逢引していた屋形船の雰囲気を今様にアレンジしたいと思いこれまでの貯蓄を造船費用にあて、船【みづは】は6月末に完成予定、2013年初秋の開業を目指す。
夫の勉さん
●マクドナルドを退職後、給食サービスやちゃんぽんチェーンを経て、居酒屋を経営する会社の執行役員となったが、震災の影響もあり、残念ながらクビになる。
「妻が屋形船をやる!と言うので、ぜひ一緒に働かせてほしいと頼みました!何とかクビにならないように社長である妻の言う事に従っています!(笑)1年後にはメインの船頭になれるように頑張りたいと社長に頼みました!みづはでの最初の1年が本格修業の場となります・・・7月からはじめます!経費削減のために社長が考えた、揺れる船内で便利な雑貨(ドリンクホルダー)を試行錯誤で作ってます(写真1)。一生懸命作ったのに、色が黒すぎて木目が見えない、サイズが大きすぎるなど、と社長から怒られ、ダメ出しばっかりですよ!おかもち(写真2)は何度も艶消しの塗りを行って、やっとOKがでました。」と話す勉さんは、妻の美穂さんを社長と呼び、得意の日曜大工で船の模型や船の中で使う雑貨や家具も作っている日々。
気は優しくて力持ち、を地で行く勉さんは、北海道出身で、亡父は漁師。漁師を継がずに東京で就職したが、会社員リタイア後の仕事で舟に携わることになったのも何かの縁か?

【舟遊びみづは 今後の予定】
●2013年6月 舟の完成、伊豆の造船所で進水式、東京湾マリーナ搬入
●2013年7月
・船の登録資料&保険など準備し、役所の手続き
・試運転、水深や橋の桁下調査、写真撮影
・パンフレットやチラシ等紙媒体作成
●2013年8月
・船で使用する家具や小物など、工芸職人さんに注文した作品が完成
・ホームページ正式オープン、予約受付開始
・プレオープン(モニターによる試乗)
●2013年9月 正式開業
・1名から貸切可能、日本橋川や神田川等の内部河川、隅田川やお台場等自由にコースを選べる「お誂え舟遊び」と、決まった航路や季節に応じたイベントを行う「乗合い舟遊び」の2つを運航。両方とも事前予約制。
・お誂え舟遊び:一艇貸切 60分4万円、90分6万円、120分8万円(60分以降15分刻みの料金設定)
お土産&お茶付き(予定)、飲食物持込自由、厳選弁当や老舗スイーツ、ケータリングの手配あり
利用例-女子会、ミニ同窓会、家族のお祝い事、結納、打ち上げ、外国人接待、撮影会、商談、デート、プロポーズ、船上ピクニック、社内イベント(歓送迎会、打ち上げ、忘年会等)、水上観光、合コン、プライベートセミナー, etc.
・乗合い舟遊び:60分~120分程度の航路で、1名3500円~1万円(イベント内容により異なる)
例:夕涼み、花見、出会いの舟遊び、着物で舟遊び、朝寝坊さんの舟遊び、甘い舟遊び、鉄ちゃん舟遊び、邦楽舟遊び、老舗の旦那と舟遊び等を企画予定
・イベント第一弾として、お月見舟遊び実施予定
●2013年10月 べったら市と絡めた舟遊び予定
●2013年11月 芸術の秋文化イベントとして浮世絵今昔舟遊び予定
●2013年12月 聖夜の舟遊び予定
●2014年3月 電動船外機導入予定

 

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