奇祭ハンター 平船智世子さん

小学生の頃から貯金をしていた平船さん。27歳になった時には1000万円が貯まっていた。イベント会社に勤務していた平船さんは、会社を辞めて世界の珍しいお祭りを巡る世界一周の旅に出かける。この頃、平船さんには付き合っていた彼氏がいた。その彼は、旅をする平船さんのもとに3カ月に1度は会いに来てくれるということをしており、その彼を見て「世界中旅をしてる私に会いに来てくれるなんて、私相当愛されている」と、実感していた。世界旅行を終え日本に帰って来た平船さん。東京に戻ったら彼からプロポーズされるに違いないと思っていたが、ある日、彼から「実は、君とは別れたい」と別れを告げられてしまう。思わぬ出来事にショックを受けた平船さんは、「もう彼のことは忘れよう!人生リセット。やり直しだ!」と、彼の事を忘れる為に、再び世界一周の旅に出ることを決意する。失恋のショックから「もう死んでもいいや」くらいにやけくそになっていた

旅情報を調べていると、でてきたのは『Gerewol(ゲレウォール)』というワード。ゲレウォールとは、イケメン遊牧民の“ボロロ族”たちの出会いの場として行われる婚活祭りのことだった。“美男子コンテスト”“婚活”。このワードに興味を魅かれた平船さんは、「こうなったらイケメンをゲットしたい!」と徹底的に調べることにしたのだが、目指す国はニジェールで、あとは砂漠がある国、というくらいの情報しか見つけることができなかった。しかし平船さんは、そんな敢えて情報が出てこないようなエリアを目的地に選び、無謀とも思える旅を決行することに!!

平船さんは二ジュールへ向かった。到着すると街でガイドさんを探すことに。「ボロロ族の美男子コンテストを見たい!」と言ってジェスチャーを交えたりして、街で何人もの人に声をかけていった(平船さんはいつもこのやり方)。すると、ボロロ族が遊牧しているのは砂漠地帯で、さらに、レベル4の危険エリアにあり、セキュリティをつけなければ行けない場所だという事がわかった。

 

 

 

セキュリティとガイドを雇い、ボロロ族の村へと出発した。しかし、ボロロ族は遊牧民なので、現在どこにいるのか、そもそも祭りの日時はいつなのかがわからない。

それでも美男子コンテストを見たいと車を走らせ、砂漠の中を探しまわり、野良のラクダ、牛、馬、ヤギ、羊、ロバ、などに囲まれてテント泊を行いながら、2日間移動し続けた。

 

 

そうしていると遊牧していたボロロ族に偶然出会うことができた。さらに道を尋ねるとたまたまこれからお祭り会場に向かうと言ってきた そこで「車の乗せてあげるから会場まで案内してください!」とお願いをする・・・その青年を車に乗せ、会場まで案内してもらえることになった

青年の案内で、美男子コンテストの会場にたどり着くと、コンテストに参加する青年達が、ファンデーションやら、ヘアセットやら、装飾品選びやら、自分を美しく見せる為におめかしをしていた。コンテストは女性が男性を選ぶというスタイル。女性から選ばれなくてはならないボロロ族の男性は、多くの装飾品に身を包み、黄色や赤色などの粉末を顔に塗り、目や歯をなるべく大きく剥き出しにしながら、背伸びをするように身長の高さをアピールするダンスをする。なんでも、目や歯の白さが際立てば際立つほどイケメン!。

ボロロ族の普段の生活を撮影しようと思い、テントなどみんなが集まってご飯を食べているときに顔を出していると、仲介人のおじいちゃんに、タイプの男はいないのか?みたいな身振りをされた。どうやら、第二夫人にならないかというお誘いだった。美男子コンテストは1日に3回行われる。

写真:女性たち

撮影した美男子コンテストの様子をyou tube にアップすると、それがあまりにも稀少な映像だったため、テレビ番組から映像提供の依頼がきた。番組は『テレビ東京“世界193カ国を完全制覇!全世界の衝撃映像SP”(2016年11月放送)。その番組では『お祭りハンター』として平船さんの動画が紹介された。それを皮きりに、今度はNHKからも映像をぜひ使わせてほしいとの依頼があり、さらに、ラジオで「ボロロ族との体験談」をトークしてほしい、講演でお話してほしいとの依頼も来るようになった。そうしているうち、いつしか「奇祭ハンター」と呼ばれるようになっていった。2017年12月の『週刊新潮』で、“奇祭ハンター旅の軌跡”の特集記事が組まれることに。

平船さんの撮った稀少な部族の写真や旅のブログの反響は、その後どんどん高まっていき、平船さん自身もすっかり「奇祭ハンター」としての自覚が芽生えるようになっていった。そして、2018年1月、3回目の世界旅行に旅立つことになる。

◆思わぬ事件に巻き込まれたドゴン族に会うための旅◆

平船さんが訪れたのは、多数のテロ組織が内戦を繰り返しているマリ共和国。世界をまわっている内に、旅先での知り合いが増えていった平船さんは、旅先でスマホやPCを使い、情報交換ができるようになっていた。マリへと向かう道中の、西アフリカ・セネガルに立ち寄るその途中、日本人の旅仲間にメールで「マリって何かある?」と尋ねると、「ドゴン族のドゴンダンスは有名だよ!」との情報が!!正式なドゴンダンスは、60年に一度行われるそうで、チップを払えば見ることができるということだった。マリは非常に危険な状態であることは知っていたが、どうしても見たいと思った平船さんは、日本人の旅仲間にメールをし、ドゴン族に詳しい親切なガイドさん“ハミドゥ”さんを紹介してもらえる事になった

さっそくハミドゥさんにメールをしたが、一向に返事がこない。マリに到着し、中心地のホステルの1階フロアーでハミドゥさんからの返信を待っていると、「おーい!メールした?」と叫ぶ男性が近づいてきた。平船「そう!私です!ハミさんですか?」ハミ「そうだよ!ごめんごめん、待った?」。平船「ドゴン族がみたいです!」 ハミ「OK!」と会話が弾む。男性「俺の住む町にドゴン族はいるよ!ここから2日かけていくよ!僕が通訳もするし案内もする。だから合計で8万円でいい?」と、なかなかの値段を提示された。平船さんはかなり高いと思ったが、治安の悪いマリでは不安が多いと、通訳代、案内代、ホテル代込みならいいかと、提示額を支払うことに。しかし、8万円をハミさんへ渡すと、平船さんの所持金はゼロになってしまった。

さっそくドゴン族のいる町へと向かった平船さん。「ちょうどいいタイミングで町のミュージックフェスをやっているよ!君はラッキー」と楽しげに話すハミさんだったが、お店に入ると豪華な食事どんどん注文、自分のドゴン族村へのトレッキング用のバックを買う、たばこ買う、バイクまで買い、渡した8万円をどんどんと使っていくのを見て、平船さんは不安になっていった。さらに、途中、「ホテル代も高いので一緒に同じ部屋に泊まろう!」と言ってくる始末。「日本では結婚するまでは一緒の部屋に泊まらないのが国の常識なんです」と、うまく言い訳をしながら別の部屋を手配してもらい切り抜けた。。

村に到着すると・・・

ハミさんに両親を紹介され、とても歓迎されて気に入られた平船さんは、家族から「ここで暮らしなさい」と言われる。「せっかくここまで来たんだからどうしてもドゴン族のお祭りを見たいです」と頼んだ平船さんだったが、ハミさんは「もうお金を全部使ってしまった。お祭りを予約して見るためには、さらにチップが2万円かかる」と、とんでもないことを言われてしまう。「えっ!私、お金ないです」と答えると、「もうあきらめてここで暮らしなさい!」と言われてしまった。

ここで平船さんは、自分が大きな勘違いをしていた事に気がつく。町まで案内してくれたこの男性。実は“ハミドゥ”さんではなかった。 この男性は“ハムサ”さんという名前のまったくの別人。ハミドゥに会いに来た日本人に対して「自分がハミドゥだ!」とだまして客を横取りする手口だった

絶望的な状況ながらなんとか気持ちを切り替え、どうしたらここを脱出できるか悩んでいるとハムサが嬉しそうに「智世子がどうしたら元気になるのか~と思ってね、町長さんに特別にドゴンダンスを披露してくれるように頼んだ!」と楽しそうに言ってきた。

(写真↓)披露してくれたのがあまりにもクオリティの低いダンス

 

一方、町ではハムサが可愛いお嫁さんを連れてきた、みたいな噂が広がっていた。そんな状況の中、平船さんは街の子供たちと遊んで町に馴染みながら、都会に出るためのチャンスをうかがっていた。買い物に積極的に行きたいと申し出るが、なかなかタイミングがあわず。いろいろ理由を考えた平船さんは、「私は旅のライターで仕事しています。なのでここにいては仕事ができず、仕事をしないと口座にお金が振り込まれない。ずっとお金がない状態になっちゃいます。あなたにもチップを払いたいし、日本人にコンタクトをとりたいです。」と、ハムサにお願いをした。すると、「わかった明日都会に買い出しに行くから一緒に行こう」と、都会の町へ出る許可を得ることに成功した。都会の町へ出ると、ハムサが買い物をしている間に 最初に日本人の友人から紹介されたハミドゥさんに直接電話をしたすぐにハミドゥさんが電話に出てくれ、「あなたの名前を名乗って嘘をついている人がいるの!私が今いる町の名前は○○!そこの写真は送るわ!そこにいるので助けてください」と助けを求めた。(ハムサの村は現地SIMも届かない場所)。

町に戻った平船さん。しばらくすると、ハミドゥさんが警察官を1人連れてやってきた。その後、平船さん、ハミドゥさん、ハムサさん、警察官の3者面談が行われた。「今回8万円は高すぎる 2万円~3万円が正当な金額ではないのか?返金しなさい」と警察官はハムサさんを叱った。するとハムサさんは「もうお金は全部使っちゃった返すお金はない」と言い、反省するどころかふてくされていた平船さんは「本当のドゴンダンスを見たいんです」とハミドゥさんと警察官にお願いをすると、「もちろん見に行こう!僕が案内しますよ!」とハミドゥさんが1万円のガイド料で案内してくれることに。今度は信頼できるハミドゥさんの案内で、ドゴン族の村へと出発した。道なき道を進み、途中、山や谷、トレッキングもあって50㎞にもなる旅だった。

到着したドゴン族のいる村はTireliという村だった。そこでついに、本物のドゴン族の村で、求めていた本物のドゴンダンスを見ることができた。本物のドゴンダンスは、衣装もしっかりしており、踊りは力強く、さらに竹馬にのっていたりと、ニセモノとは比べ物にならない素晴らしいものだった。平船さんがニセモノに騙されたりして、マリに滞在したのは10日間の出来事。

本物のドゴンダンス↑

この3回目の世界の旅を終え、この旅の写真は週刊新潮の特集記事に掲載された。実は、1000万円あった貯金は、ほぼ使い果たしてしまっておりこの時の掲載料はものすごく嬉しい事だった。これまでの失恋を癒すために世界旅行をしていた平船さんだったが、奇祭を巡るにつれ、別人のように強くなったと感じている。

平船さんは「広い世界を何か国も見て、自分がいかに狭い世界でいきていたか?今は周りの目を気にしないで彼の事なんかすっかり忘れて、やっと楽しく生きられるようになった」と話す。今年の2月チリのタパティというお祭り(昔の先住民の文化を表現するお祭り)を体験!

現在もさらに冒険に挑戦中!!奇祭ハンターとして過激さを増している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 平船智世子さんプロフィール
 

本名 平船智世子/Chiyoko Tairabune

1986年2月14日生まれ

 

2013年

お祭り巡りをコンセプトに世界一周。

2018年

体験型イベント『VRで巡る!世界の奇祭展』を主催。360度お祭りを疑似体験できるVRや展示写真が動くARを取り入れ多くのメディアに取り上げられ反響を呼んだ。

現在

85ヵ国80祭りを訪問、地球3周完了。

海外の非日常的な祭りをテレビ・ラジオ・雑誌・各ソーシャルメディアを通して発信している。

 

 

Blog▶︎https://www.earth-festival.com

Instagram▶https://www.instagram.com/Earth_Festival

Twitter▶https://www.twitter.com/tailovene

YouTube▶︎https://www.youtube.com/channel/UC-zU1nOQ_PuGHvz3TuTCidQ

 

2013年~2014年 1回目の世界旅行

1インド:ホーリー(Holi)

2タイ:イーペンサンサーイ祭(Yeepeng Sansai)

3.タイ:ロイクラトン(Loy Krathong)

4.ラオス:モン族の正月(Hmong New Year)

5.ラオス:フィルムフェスティバル(Film Festival)

6.ドバイ:カウントダウン(Count down for World Records)

7.ブータン:トンサ・ツェチュ(Trongsa Festival)

8.ブータン:ルンチェ・ツェチュ(Lhuentse Festival)

9.フランス:ニースのカーニバル(Nice Carnival)

10.フランス:マントンのレモン祭り(Menton Lemon Festival)

11.イタリア:ヴェネチアのカーニバル(Venezia Carnival)

12.スイス:リゾットカーニバル(Risotto Carnival)

13.スイス:ベルンのカーニバル(Bern Carnival)

14.スイス:バーゼルのカーニバル(Basler Fasnacht)

15.ギリシャ:ロケット花火戦争祭り(Rocket War)

16.ブラジル:W杯(FIFA World Cup 2014)

17.ペルー:インティライミ(Intiraymi)

18.ペルー:聖体祭(corpus cristi)

19.コロンビア:メデジンの花祭り(Feri de Las Flores Medelin)

20.コロンビア:なまけもの祭り(Festividad Dia Mundial de la Pereza)

2015年  平船さん29歳  2回目の世界旅行へ

21.スペイン:バレンシア火祭り(Las Fallas)

22.スペイン:トマティーナ(La Tomatina)

23.スペイン:ブエルタエスパーニャ(Vuelta a Espana)

24.スペイン:カスカモラス(Cascamorras)

25.ニジェール:美男子コンテスト(Gerewol)

26.ニジェール:犠牲祭(Eid ul-Adha)

  1. ドイツ:オクトーバーフェスト(Oktober Fest)
  2. チェコ:シグナルフェスト(Signal Festival)
  3. イタリア:ミラノ万博(Miran EXPO)
  4. イラン:イマーム・レザー殉教日(The Martyrdom of Imam Reza)

2016年

  1. タイ:水かけ祭り(Songkran Water)
  2. 韓国:泥かけ祭り(Mud Festival)
  3. メキシコ:死者の日(Dia De Los Muertos)

 

2017年

34.イギリス:イースター(Easter)

35.ポルトガル:アントニオ祭り/イワシ祭り(Antonio)

36.スペイン:アリカンテの火祭り(San Juan)

37.スペイン:ワインかけ祭り(Wine Fight)

38.パプアニューギニア:ゴロカショー(GorokaShow)

39.ベナン:エグングン(Egungun)

40.ブラジル:リオのカーニバル

41.チリ:タパティ(Tapati)

42.ブルキナファソ:仮面祭り(Festima)

43.北朝鮮:太陽節/金日成主席生誕祭(Day of the Sun)

44.ベルギー:猫祭り(Kattenstoet)

45.オランダ:チーズ市(Kaasmarkt)

46.ラトビア:ブロンド祭り(Go Blonde)

47.スリランカ:ペラヘラ(Perahera Festival)

48.北朝鮮:アリラン祭(Arirang Festival)

 

 

【2018年 1月~3月 3回目の世界旅行】

2018年 1月20日~10日間  偽物ドゴン族 事件

2018年 2月5日 ブラジルリオカーニバル

2018年 2月 チリタパティ